MEGADETH DYSTOPIA

MEGADETH(メガデス)
DYSTOPIA / 2016年 / 82点

アメリカ出身のスラッシュメタルバンド、15枚目のアルバムです。

かつてMETALLICAに所属していたデイブ・ムステインをリーダー(ボーカル兼ギター)とするバンドです。複雑ながらもスリリングな曲展開が持ち味で「インテレクチュアル・スラッシュメタル(知的なスラッシュメタル)」なんて言われています。

さて、正直に言うと、私はMEGADETHが苦手です。演奏はいつもスリリングで格好良いんですが、とにかくデイブのボーカルが好きになれないからです。「歌メロ」と言ってもいいのかも分からん、がなってるだけみたいな歌い方がどうもダメなんですよね……。

という事前情報を伝えた上で、このレビューを読んで欲しいわけですが、結論から言うと「演奏は良いけど歌がダメ」です。まんまでしたね(汗)。
演奏に関しては文句無し。良くも悪くもスタイルを変化させてきたMETALLICAと違い、今なおシッカリと「スラッシュメタル」と形容できる、刺々しくスリリングな演奏をたっぷりと楽しむ事ができます。テンポ自体はそれほどでもないのに、体感的に「速い」と感じられるのは、この演奏のお陰なんだと思います。ANGRAの元ギタリスト、キコ・ルーレイロの演奏も文句無しの上手さです。

一方の「歌」も(悪い意味で)変化なし。もはや完全に手遅れではあるんだけど、誰か歌の上手い人にボーカルをやってもらう事はできないんだろうか? そういう人が入ったら絶対もっと売れると思うんだけどな~。「デイブだからいいんじゃん!」と思う人もいるでしょうけど、私はそうは思えないんですよね……。

お気に入りは「Dystopia」。第59回グラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンス部門を受賞した曲。これは歌メロも印象的で良い曲だと思います。

今さら言うのもなんですが、解散するまでこの路線はもう変わらないんでしょうね。好きになりたいと思ってるだけに残念だ。