
陰陽座(おんみょうざ)
覇道明王 / 2018年 / 86点
日本出身のヘヴィメタルバンド、14枚目のアルバムです。「はどうみょうおう」と読みます。
音楽的ベースこそ伝統的なヘヴィメタルですが、歌詞・メロディ・ビジュアルなどを徹底的に「和風」に仕上げ、独自の世界観を作り上げているバンドです。また、類まれなる歌唱力を持つ女性ボーカル(黒猫)を擁する事でも知られ、彼女に影響を受けた女性ボーカリストは多いんだとか。
さて、そんな彼らの14枚目の作品ですが、基本路線は当然変わりませんが、ここ最近の作品の中ではかなりヘヴィさが強い、ハードな出来栄えになっています。かと言ってキャッチーさが無いというわけでもなく、メロディアスでありながらヘヴィでもあるという、非常に聴き応えのあるアルバムになっています。
キャッチーさだけで言えば前作の方が軍配が上がりますが、全体的な出来栄えで言えば本作の方が良いですね。
私は彼らに「ヘヴィメタルらしいヘヴィさ」を感じた事はほとんど無かったんですが、本作はギターリフやドラムなどにシッカリと「ヘヴィメタル」を感じる。特に「隷」なんかはこれまでの彼らには無いヘヴィな1曲で、初めて聞いた時はちょっと驚いたくらいです。
また、ここ最近の彼らのアルバムは音が「厚く」なってきているので、それもヘヴィだと感じる要因の1つだと思います。
一方で「桜花忍法帖(覇道MIX)」や、本作最速の「飯綱落とし」なんかは非常にキャッチーで聴きやすい。この見事なバランスの良さこそが本作の最も優れた点だと思います。
お気に入りは「隷」。私が思う彼らの中で最もヘヴィな1曲。疾走感とドロドロ感もバランスが非常に良いと思います。
音楽的には変わってないのに、アルバムを重ねる毎に進歩しているのが良く分かるというのは凄い事だと思います。一体どこまで行くんでしょう?
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