NOSTALGISM

ZEMETH(ゼメス)
NOSTALGISM / 2019年 / 83点

日本出身のメロディックデスメタルバンド、3枚目のアルバムです。

ギタリストであるJUNYA氏によるワンマンプロジェクトで、ギターを始め、ボーカル・ベース・ドラム・キーボードなど全ての楽器を彼一人がこなしています。

音楽性はこれまでと変わらず、頭のてっぺんから足の先まで、徹底的に「哀愁漂うクサメロ」を詰め込んだ爆走メロディックデスメタルです。何よりもクサメロを優先したサウンドになっており、ボーカルですら添え物的な扱いです。というか、ボーカルが無くても何も問題無いと言っても過言ではないと思います。

栄養のバランスなど一切考えない、カロリーたっぷりのケーキだけをひたすらに食べ続けるかのような、あまりにも偏執的なスタイルは「盛り上がりもクソも無い」という批判がある一方、「ひたすらサビのようで良い」という評価もあります。
私自身、どちらの意見も間違っていないと思っており、どう評価して良いのか(1枚目を聴いた時から)常に迷っています。ただ、「メロディに哀愁が足りない」という理由で低評価を下している作品に比べれば遥かに良い事だけは間違いありません。胸がキュンキュンと締め付けられるメロディが次から次から押し寄せるのは、ある種麻薬的な快楽があります。

ただ、やっぱり緩急があった方がもっと盛り上がるのではないかとも思います。ABメロは静かに抑えて、ブリッジで「来るぞ来るぞ…」と期待を持たせ、サビで一気に爆発させる。ヘヴィメタルに限らずあらゆるジャンルの音楽において、このパターンが使われるのは、これが最も効果的だからだと思うんですよね。この方法なら彼のメロディセンスをもっと強く感じられるんじゃないかと思います。
簡単に言えば「たまに食べるからケーキは美味しい」んです。

お気に入りは「LLUVIA DE SANGRE」。北欧メロデスからの影響が感じられる、このバンドとしては若干毛色が違う1曲。

前作でのレビューでも書きましたが、メロディセンスは95点、トータルバランスは78点、総合得点で83点ですw