AN EYE FOR AN EYE

DEZPERADOZ(デスペラードス)
AN EYE FOR AN EYE / 2008年 / 80点

ドイツ出身のパワーメタルバンド、3枚目のアルバムです。

スラッシュメタルバンドSODOMのトム・エンジェルリッパー(Ba)と、彼のソロアルバムなどに参加していた親友のアレックス・クラフト(Vo/Gt)によって結成されたバンドです。ただ、トムは1stアルバム制作後に脱退してしまっており、現在はアレックスがリーダーとなっています。
1stから一貫して「西部劇」をコンセプトとした楽曲を制作している珍しいバンドです。

そんな彼らの3枚目ですが、当然ながらコンセプトは変わっておらず、西部劇映画を思わせる埃臭くダーティーな香り漂うパワーメタルをやっています。「Hate」や「Wild Times」のようなギターが重く響くダークなナンバー、「Days of Thunder」や「Give Up」のような男の哀愁を感じるナンバーなどが並んでいます。曲名も「Wild Bunch」など、いかにもソレっぽいモノが並んでおり、ウエスタン映画が好きな人ならきっとニヤニヤできるはず。
バラエティに富んでいるとは言い難いですが、どれもコンセプト通りであり、私はこれで良いと思います。

特筆すべき点はアレックスのボーカルで、この人の声、西部劇に合うんですよね。

欠点としては思い切りすっ飛ばすナンバーが無い事。西部劇なんだからピストルで思い切りドンパチやるような攻撃的な疾走曲があっても良いと思うんですよね。どちらかと言うと「旅立つ男」を描くような渋い曲が多めで、ちょっと物足りなさを感じました。

お気に入りは「Days of Thunder」。本作で最もキャッチーで哀愁を感じるナンバー。こういうの、もっと欲しかった。

日本での知名度はほぼゼロだと思いますが、なかなか悪くないバンドだと思います。気になった方はぜひ。