CHAPTERⅢ

AD INFINITUM(アド インフィニトゥム)
CHAPTERⅢ - DOWNFALL / 2023年 / 83点

スイス出身のシンフォニックメタルバンド、3枚目のアルバムです。

「スピードを落としたAMARANTHE」と形容できそうな、モダンな要素たっぷりのシンフォニックメタルをやっているバンドです。良くも悪くも1枚目から一切変化はありません。

となると、あとは各曲の良し悪しという事になるんですが……ふむ、悪くない。悪くないが、物凄く良くもない。という感じに落ち着きました。
いやね、本当これ以上書ける事が無いんですよ。ボーカルにしろ楽器にしろ1枚目からA級だったからこれ以上の成長は無いし、方向性も大きく変わらず。各曲も「Seth」や「From the Ashes」「Under the Burning Skies」など、心惹かれる曲はあるものの、キラーチューンと呼べるほどでもない。
本人たちは頑張って作ったんだろうと思いますが、私個人としては「無難」という評価がシックリ来ました。

じゃあ、ここから更にレベルアップするにはどうすればいいのか? 一番言いたいのはボーカル以外の楽器陣の演奏をもっと魅力的にした方が良いと言う事。ハッキリ言えばメリッサ・ボニー嬢のボーカル以外に耳を引く要素が無いんですよね。ギターソロも印象的なメロディは少なめだし、ひたすらバッキングに徹してるだけという感じなんです。メリッサ嬢に負けす劣らずのポイントがあれば、それだけでもかなり違うんじゃないかと思います。
あとは前作の時も言いましたが、疾走曲なんかを入れて曲の幅を広げた方が良いんじゃないかと思います。全体的に似た曲が多いという印象があるので。

お気に入りは「Ravenous」。バラードを除き、本作で最もテンポの遅い曲なんですが、ほのかに香るフォーキッシュなサウンドが良い味を出しています。

3枚目にして超えられない壁にぶち当たってるなと感じました。全然悪くはないんですが、次は壁を越えた作品を期待したいです。