AD INFINITUM（アド インフィニトゥム）

ABYSS　/　2024年　/　77点

スイス出身のシンフォニックメタルバンド、4枚目のアルバムです。

エキゾチック美人メリッサ・ボニーがボーカルを務めるシンフォニックメタルバンドです。前作「CHAPTERⅢ - DOWNFALL」からわずか1年での新作となります。

方向性とはこれまでと変わらず、モダンな要素たっぷりのシンフォニックメタルです。似たバンドで言えばBEYOND THE BLACKあたりになるかと思います。

元々メリッサのボーカルを主軸としていたバンドであり、バックサウンドにトキめく事はありませんでしたが、本作は更にその傾向が強くなっており、楽器陣は完全な「BGM」と化しています。デジタルサウンドもかなり使われており、もはやバンドという感じがしないですね。まあ、実際メリッサ以外のメンバーは一人も知らないですし（汗）。

と、「作られた感」は非常に強いですが、これはこれで質は極めて高く、普段メタルを聴かない人も「格好良いじゃん！」と言いそうな感じはします。メリッサの堂々とした歌唱も文句のつけようがないし、俯瞰して見れば、こっちの方が「売れ線」なのは間違いないと思います。

で、私個人の感想はと言うと、ヘヴィかどうかというのは実はそれほど重要視しておらず、メロディにトキめくかどうかを最も気にしています。そんな私の視点から言うと「前作に比べると哀愁度が減り、非常に物足りない」というのが正直な意見です。

どんだけサウンドが軟弱になろうが構わないんですが、哀愁のメロディは忘れないでほしかった。本作に並んでいる曲はポップスにも、かと言ってメタルにもなり切れていない中途半端な曲が多いと感じてしまいました……。

お気に入りは「My Halo」。1曲目だから。

どうもモダンなバンドというのは、アルバムを重ねる毎に私の好みからは離れていく傾向がある気がします。。。