
AS I LAY DYING(アズ アイ レイ ダイング)
THROUGH STORMS AHEAD / 2024年 / 86点
アメリカ出身のメタルコアバンド、5年ぶり8枚目のアルバムです。
前作「SHAPED BY FIRE」は、ティム・ランベシスが自分の奥さんを殺そうとした罪で刑務所に入れられ、出所後、初のアルバムという事で色々な意味で注目度も高く、そしてそれに応えられるだけの傑作でした。
あれから5年、今ここに新作が届けられました。しかし、本作発売前に、長年共に活動してきたフィル・スグロッソ(Gt)を始めとしたティム以外の全員が脱退。↑の件が理由なのかは分かりませんが、今なお穏やかでない事だけは確かのようです。
しかし、そんな不透明な現状とは裏腹に、作品自体のクオリティは相変わらず恐ろしいほど高い。スタイル的には大きく変わらず、オーソドックスなメタルコア道ど真ん中。切れ味鋭いギターリフ、寸分の狂いも無くリズムを刻むベースとドラム、そして時に激しく時にメロウに歌い上げるボーカル……。全てが渾然一体となって脳ミソの奥深くにまで襲い掛かってきます。この切り刻まれるかのような緊張感、たまりません(笑)。
おそらく、これを作っていた時も決して穏やかな感じではなかった気がしますが、それでもこれほどの作品が作れるとは、皆さんプロフェッショナルです。
ただ、非常に残念ながら前作を超える出来ではなかったかなと思います。リフの格好良さなどは変わってないんですが、サビメロのパンチ力がイマイチ弱い。「Blinded」や「Shaped by Fire」を超える曲も見つけられず、もうちょっとノーマルボイスのメロディを練ってほしかったです。
お気に入りは「The Cave We Fear To Enter」。サビの高音部分がキャッチーで格好良いです。
ティムがいる限りこのバンドは続くと思いますが、個人的には早く落ち着いてもらいたいです。脱退劇を知ると、なんか安心して聴けないんですよね……。
コメント