ENSIFERUM9

ENSIFERUM(エンシフェルム)
WINTER STORM / 2024年 / 85点

フィンランド出身のフォークメタルバンド、9枚目のアルバムです。

私が初めて聞いたフォークメタルアルバムは彼らの1枚目「ENSIFERUM」(2001年)でした(当時はヴァイキングメタルと言われていましたが)。上品さのあるRHAPSODY OF FIREとは一味違う、泥臭さのある勇壮で好戦的なメロディの虜になった私は、以後TURISASやFINNTROLLなど、同系統のバンドを追いかけていく事になります……。

そんな彼らの4年ぶりとなる作品ですが、疾走感のある超キャッチーなフォーク/ヴィキングメタル路線に変わりはありません。数多いるフォークメタルバンドの中でも屈指の分かりやすさを誇り、また基本はデスボイスですが、サビの大半はノーマルボイスなので、普段この手のバンドを聴かない&デスが苦手な人でもすんなり受け入れられるんじゃないかと思います。

前作ほどの気迫というか充実さは無いかなとは思いましたが、衰える事の無いメロディセンスはさすがの一言。初めて聞いたフォークメタルが彼らだったからこそ自分はフォーク/ヴァイキングメタルが好きになれたんだな、と改めて思いました。

ただ、最近の作品で気になるのが「ボーカルが多彩すぎる事」です。デスボイスは一種類ですが、ノーマルは数種類使われており、中には妙に甲高い、ハッキリ言えば微妙なボイスもあります。ノーマルボイスはもうちょっと男らしいので統一してほしかったです。

お気に入りは「Winter Storm Vigilantes」。イントロに続く、このアルバムを代表する1曲。この疾走感、リフ、そしてサビのメロディ。100%ENSIFERUMです。

最近あまり話題になっていない気がしますが、その力に陰りはありません。この調子でこれからも頑張ってもらいたいです。