POWER RESET（パワー リセット）

SON OF THE LIGHT　/　2023年　/　80点

ブラジル出身のパワーメタルバンド、3枚目のアルバムです。

これまでの2作はマルチプレイヤー、レオナルド・オリベイラがボーカルを含む全ての楽器を一人で演奏していましたが、本作はカイ・ハンセンの息子ティム・ハンセンがいる事で知られるINDUCTIONのボーカル、クレイグ・ケアンズをボーカルとして起用しています。

そして、「パソコンの打ち込みか？」という疑惑すら挙がっていたほど平坦だったギターやドラムも見違えるほど逞しくなっており、一番の懸念だったサウンドに関して、見事に改善されています。

これにより、描きたかったであろう世界観によりハッキリと分かるようになりました。音楽性はこれまでと同じくマジカルな雰囲気のあるパワーメタルです。時にパワフルに、時にメロウに紡がれる芳醇なパワーメタルワールドは、「陽」のメロディが好きな人ならほとんどの人が気に入るんじゃないかと思います。

個人的にはこれぞと言うべき「Mighty Warrior」、テンポは遅いもののジワジワくる「Eternal Mystery」、良質なパワーメタルナンバー「Midnight Thief」などが気に入りました。

残念ながら全曲良いとは言えず、イマイチパンチに欠ける曲も散見されますが、とは言え、前2作に比べれば間違いなくレベルアップしていると思います。

お気に入りは「Mighty Warrior」。イントロに続く2曲目。これが好きになれない人はパワーメタルを聴くべからず。

3枚目にしてようやく人に勧められる出来になりました。今後にも期待が持てますね。