
BROTHERS OF METAL(ブラザーズ オブ メタル)
FIMBULVINTER / 2024年 / 87点
スウェーデン出身のパワーメタルバンド、3枚目のアルバムです。
ボーカル3人、ギター3人、ベース・ドラム1人という大所帯フォークメタルバンドです。ただ、2023年にベースが脱退してしまい、これを書いている今現在は7人編成になっています。
とは言え、音楽性はまったくの不変。FEUERSCHWANZやWIND ROSEと同系列の抒情的でキャッチーなメロディをたっぷり備えたフォークメタルです。デスボーカルがおらず、女性ボーカルがリードをとっている為、他のフォークメタルに比べると暑苦しさが無く、非常に聴きやすいのが特徴です(暑苦しいのが良いという意見もあるかもですが)。
前作も良い出来でしたが、本作はそれを上回る良盤だと思いました。冒頭から最後まで良い曲が揃っており、最後の最後まで飽きさせません。個人的に最も評価できるのは、ミドルナンバーでもシッカリと聴けるフックの良さがある事。これが「(早いのから遅いのまで)どんな曲も良い」という評価に繋がっています。凡庸のパワーメタルバンドはミドルがイマイチという事が多いですからね。
伸びやかなサビが良い「Flight of the Ravens」、ズッシリとしたリズムが渋い「Heart of Stone」、アコギの哀愁がたまらない「Rivers of Gold」、フォークメタルのお手本と言っても良い「Blood Red Sky」、適度な疾走感が心地良い「The Other Son of Odin」などが特に気に入りました。
欠点らしき欠点はありませんが、せっかくボーカルが3人もいるんだから、男性がリードをとるいかにも雄々しいナンバーとかがあっても面白かったんじゃないかなとは思いました。
お気に入りは「Heart of Stone」。ズッシリとしたリズムも良いですが、深い哀愁を湛えたサビメロに悶絶です。
素晴らしい作品だと思います。フォークメタル好きはマスト、パワーメタル好きも聴いて損なしです。
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