
GRAVE DIGGER(グレイブ ディガー)
BONE COLLECTOR / 2025年 / 82点
ドイツ出身のパワーメタルバンド、22枚目のアルバムです。
1980年にボーカルのクリス・ボルテンダールを中心に結成されたベテランバンドです。86年に一時ポップ路線に舵を切ったものの大不評で一度解散。91年に再結成し、現在よく知られる正統派パワーメタル路線となり、今日までコアなメタラーから熱い支持を受け続けています。
音楽性は同郷のPRIMAL FEARと同じく、「これがヘヴィメタルだ!」と声高らかに言いたくなる超正統派パワーメタルです。キーボードなどのお洒落(?)な装飾はもちろんありません。
PRIMAL FEARよりも更に武骨でゴリゴリとした印象で、その印象を決定づけているのが唯一のオリジナルメンバーであるクリス・ボルテンダールの野太いボーカルです。ヘヴィメタル以外は歌えないであろうこの声こそが「GRAVE DIGGERらしさ」と言っても過言ではないと思います。
ミドルから疾走曲までバランスよく配分され、ガリガリとした心地良いリフが常に響き渡る。そこに乗っかるクリスの男らしいしゃがれ声……。まさに望む通りの展開です。これを聴いて何も感じない人はおそらくヘヴィメタルという音楽には向いてないと思います。
ただ、それは同時に諸刃の剣とも言えます。あまりにも純度の高いヘヴィメタルな為、最近の何でも取り入れちゃう若いバンドなんかが好きな人には濃すぎて逆に好まれないかもしれません。歌メロもキャッチーとか抒情性があるとは言い難く、この辺りもう少し「寄って」くれても良かったかもしれません。
お気に入りは「Killing Is My Pleasure」。本作の中で最もキャッチーだと感じた1曲。
正真正銘、純粋なヘヴィメタル作品です。心して聴くべし。
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