
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA(トビアス サメッツ アヴァンタジア)
A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY / 2022年 / 84点
ドイツ出身のパワーメタルバンド、9枚目のアルバムです。
パワーメタルバンドEDGUYのボーカルであるトビアス・サメットによって結成されたメタルオペラバンドです。トビアスのみ固定メンバーとなっており、楽器陣も(最近は固定化されているものの)流動的、そしてボーカルは「ゲスト」という形で毎回非常に豪華なメンバーが呼ばれているのが最大の特徴です。
EDGUYの方は2014年以降新作が出ておらず、間違いなくこっちの方に力を入れているようです。
本作のゲストボーカルは
●ラルフ・シーパーズ(PRIMAL FEAR)
●フロール・ヤンセン(NIGHTWISH)
●マイケル・キスク(HELLOWEEN)
●ヨルン・ランデ(JORN)
●ロニー・アトキンス(PRETTY MAIDS)
●ボブ・カトレイ(MAGNUM)
●エリック・マーティン(MR.BIG)
●ジェフ・テイト(QUEENSRŸCHE)
となっており、メタラーを自称する人ならば大体は知っている(であろう)何とも豪華な顔ぶれとなっています。
音楽性としてはシンフォニックな味付けたっぷりのパワーメタルです。ただ、RHAPSODY OF FIREのようなRPGっぽさはあまり無く、あくまでオーソドックスなパワーメタルにオペラチックなアレンジが施されているという塩梅です。
このバンドというかトビアスの凄い所はそれぞれのゲストに合った楽曲を作れる所でしょう。
ラルフ・シーパーズが歌う「The Wicked Rule The Night」はPRIMAL FEARのようにパワフルで、フロール・ヤンセンの歌う「Kill The Pain Away」は流麗でNIGHTWISHらしさが感じられます。ボブ・カトレイの歌う「The Moonflower Society」なんてめっちゃMAGNUMです。
ただ、だからと言って各バンドの真似かと言うとそうでもなく、間違いなく「AVANTASIAの曲」として成立している所が見事で、これはやっぱりメインボーカルとして常にトビアスがいるという点が大きいと思います。
サウンドも文句無しのA級だし、楽曲はミドルから疾走曲、壮大なバラードまで揃っており、パワーメタル好きならば満足できる作品だと思います。
欠点らしき欠点は無いですが、強いて言えばキラーチューンが無かった事くらいかな。満遍なく良いんですが、頭突き出た曲は見つけられませんでした。
お気に入りは「Kill The Pain Away」。サビが往年のNIGHTWISHみたいで好きです。
次はどんな大物ゲストが出てくれるのか、ブルース・ディッキンソンとかいたら嬉しいな(笑)。
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