HORIZON IGNITED2

HORIZON IGNITED(ホライゾン イグナイテッド)
TOWARDS THE DYING LANDS / 2022年 / 83点

フィンランド出身のメロディックデスメタルバンド、2枚目のアルバムです。

2019年に発表されたデビュー作「AFTER THE STORM」は自主製作でありながら目ざといメタラーから熱い支持を受け話題になりました。それから3年、メタラーにはお馴染みのドイツのレコードレーベルNuclear Blastに無事移籍、そして発売されたのが本作になります。

一聴してまず感じたのはサウンドが見違えるほど逞しくなっている事です。やはりレーベル移籍の効果は大きく、極めてクリア、そしてソリッド&ヘヴィになっています。「Servant」や「Fall Apart」なんてメタルコアっぽさすらあると感じました。
また、前作の時に指摘した「ノーマルボイスの歌メロが微妙」という問題も見事解決。本作はほとんどの曲がサビはノーマルボイスで歌われていますが、「その方が良い」と思えるほどキャッチーなメロディを歌うようになっており、さすがだなと感じました。

と、全体的に見れば間違いなくプラスにはなっているんですが、一点だけ気になった点があります。それが抒情性です。

サウンドがヘヴィになった為か、霧がかかった幻想的な森をイメージしそうな抒情性、ハッキリ言えば「INSOMNIUMらしさ」は減退しています。それはそれで「真似っこ」からの脱却と見れなくもないですし、メロデスとしては間違いなく格好良くなっているんですが、個人的にはヘヴィになっても幻想的な抒情性は維持してほしかった。
この辺りのバランスは今後の課題だと思います。

お気に入りは「Reveries」。胸を掻き毟られるギターメロディが最高です。

苦言も言いましたが、大きく進歩しているのは間違いありません。次はどう来るのか、楽しみです。